誰7話 誰がための捜査

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にも焦りが見え始めた 沈黙の後事務員が言った 「すいません、仕事中なんで、この辺で」 本居は少しあきらめて言った 「そうだね ながいしてしまった 最後に、一度くらいミス日本に応募したことなかったの」 「そんなの無理です」 本居は賭けに出た なんの根拠もない話に掛けて見たのだ 「君は飛騨だよね(方言が少し出ているのに気がついた) あっちへ捜査に行った時、ポスターで君の顔を見た事があるような気がする(もちろん、そんなポスター見た事ない)」 その途端事務員の顔色が変わった 「ミス飛騨の里です 十八の時でした あのポスター見たんですか 感激です 今より太ってたでしょう」 「そうだね、健康的だった」 「私健康優良児なんです」 「ご当地ミスになったのに声かかんなかったの?」 「実はモデル事務所に入ってレースクイーンやったんです」 「やっぱりね、そうだと思った」 「だけどレースクイーンってブースではレーススポンサーやファン相手にホステス扱いですよ 体さわられたり、嫌になっちゃって」 「そうだね下積みは大変だ(よし、ここまで打ち解ければあと一息)」 再び草苅と真壁へ目を向ける 会話が得意でない真壁はやがて言葉が少しづつ少なくなって言った 草苅は苛立つようになって行った 「それにしても先輩遅いな ちょっとトイレ見て来た方がいいんじゃないか 倒れてるかも」 「大丈夫ですよ すぐ来ます」 「マッキーすまないけど、俺も忙しい身なんだよ わかるだろう 署名は、また来てもらいたい 俺が出頭してもいい 先輩にうまく言ってくれよ」 真壁は追い詰められた 『これは俺が刑事として役に立つかどうかの瀬戸際なのに』 その時真壁の頭にグッドアイデアが浮かんで来た 「社長俺、芸能界へもどれませんかね」 草苅の顔が変わった 「えっマッキーカムバックする気あるの?」 「えー、警察官になって自分なりに頑張ったんですけど とにかく、どこの部署でも厄介者ってわかるんですよね」 「そうだよな 俺の知り合いでイケメンのJリーガーが警察官になったんだけど、やっぱり人が集まって仕事にならないんだって、外勤の制服なのに毎日署で留守番だそうだ 本人田舎の駐在に希望を出して都落ちだよ 家族もあるから、子供の学校とか、随分不便だろうけど まして私服じゃ想像つくよ
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