誰7話 誰がための捜査

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「機動隊の広報に転属させられる噂もあるんですよ 今さらDJポリスなんかねえ」 「一般の人って、芸能人が中途半端に著名度を利用されるのがわからないんだよな」 「そんな扱い受けるなら、いっそう戻ってやろうと言う気持ちになりますよね」 「それで戻るとしたらグーニーさんの所へ戻るわけ?」 「いや、あれほど慰留されたのに今さらグーニーズには」 草苅は笑みがこぼれ落ちそうな顔で言った 「じゃあ、じゃあ、どこかの事務所から声がかかってるとかあるわけ」 「それもなくて、よろしかったら社長の所で拾ってもらえないでしょうか」 「キター、それ本気だよね 社交辞令じゃないよね」 「ええ(あー心が痛む)無理でしょうかね?」 「無理なわけないじゃないか スキャンダルって言ったって犯罪や破廉恥行為じゃないし、それにもう数年経ってる 善は急げだ早速契約書を あーマネージャーを決めなきゃ、日刊誌に記事にしてもらわなきゃ それでソロシンガーになるの? 女性シンガーとデュオを組むってのはどうかな 「(やべえ)ちょっと待って下さい」 「あーそうか グーニー渋川と話をつけなきゃ 移籍料と言う名目でいくらか包むか まあ、そこらへんは任しといてよ」 「はい(先輩、何やってんですか早く帰って来て下さい このままだと俺は芸能人に逆戻りです)」 一方ミス飛騨の里と会話している本居は彼女の果てる事のない愚痴に少し辟易していた。 「ファッションショーと言っても本当にピンからキリですよ 私の出演したファッションショーなんてふきっさらしの原っぱで草が藻になって飛んで行くんです」 「西部劇だね」 「原っぱで水着ファッションショーですよ 朝寒くて厚着したいくらいなのに、おへそ丸出しで」 「誰が見に来るんだよね」 ミス飛騨の里は泣き出してしまった 本居は言った 「それで辞めてこの事務所のスタッフになったわけだ」 「私才能ないんです 容姿も飛び抜けてないし」 「そんな事ないよ 北野たけしさんだって言ってるだろう 才能だけでスターになれないのが芸能界なんだって 吉田羊だって、あんな美貌でも陽が当たらなかったんだから」 「私も頑張ればなれるかしら」 「そうだね 所でちょっとききたいんだけど赤城遼子さんと良く話をするわけ、元芸能人のよしみで
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