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この事を部長、いや、警視庁はどうお考えなんでしょうか」
痛い所をつかれて刑事部長はたじたじになった
「そっそれは上層部も十分検討したあげくの結論であり、君ごときが口を挟む問題では
あえて言えばこの失踪劇がもし誘拐劇に発展する事になれば対応の遅れとして警察組織全体の失点となるからです」
「犯罪予防ですか
それは結構な話です
警察組織に全ての失踪にそういった対応ができればの話ですが」
「それはどう言う意味ですか本居警部補」
「随分前になりますが、この警視庁の管内ではなかったと記憶しておりますがストーカー被害の女子大生の父親が警察に何度も足を運んで相談に来ていたのに警察は見殺しにした
だから本官はこのような事件かどうかわからない失踪に連続殺人事件並みの陣容と捜査員を投入するなんて不公平にもほどがあると考えます」
追い詰められた刑事部長に管理官が助け舟を出した
「部長、そろそろ会議のお時間が」
「そ、そうだね
本居警部補、貴重な意見をありがとう
今日はこれで失礼するよ
後の事は山口管理官と入谷署長にお願いする」
刑事部長は逃げるように去って行った
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