聖女へ

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捜査本部の実体が残っている今では隠蔽出来ない」 「じゃあ認めて謝罪するしか」 「下手すりゃ生活安全総務課長は降格、刑事部長も厳罰をくらうが総監や警察庁に累が及ぶのはふせがなけりゃならない とにかく副総監の所へ俺は行って来る」 その頃本居は現場についた 。 現場には黄色い封印が張られていてパトカーが数台止まっていた。 本居はその封印を超えて教会の中に入ろうとしたが制服に邪魔された 制服は言った 「勝手に入らないで下さい 誰ですあなた」 本居は身分証明書を見せた 「警視庁の本居警部補だ 入れてくれ」 制服は敬礼した 「ご苦労様です」 本居がテープをくぐろうとするとベテラン刑事が言った 「ちょっと待って下さい警視庁さん、我々は警視庁と合同捜査なんて聞いてない 第一なんで警視庁がこんないいタイミングで来るんだ あんたまさか ちょっとケータイを見せてくれ やっぱり、この番号ガイシャの最後の通話記録の電話相手の番号じゃないか 本居さん、どうゆう事か説明してもらいますよ 連行しろ」 どこからか若い刑事が二人現れ本居の両手をつかんだ 「ちょっとまて話せばわかる」 「だからその話を聞いてやるんだパトカーの中でな」 「お前ら何を調子っぱずれの捜査やってやがるんだ 離せよ」 本居を抑えた屈強な警察官はびくともしなかった 「わかったわかった、いくから、行きゃあいいんだろう」 その時本居はビルの屋上に設置された電光掲示板の表示に目をやった 『警視庁赤城遼子失踪事件にて謝罪か詳細は明らかにされず』 本居は言った 「まずい、下手にこの事件を謝罪で責任逃れとすると余計複雑になる なんでわからないんだそれが」 本居は狂ったように暴れて刑事達を突き放した 刑事達が追おうとするとベテラン刑事が止めた 「追わなくていい 警視庁が事件に首を突っ込むのを阻止すれば上々だ ヤマトンチュウなんかにヤマをかき乱されてたまるもんか ここは道産子の縄張りだ」 そんな事とは知らない本居はやっとの事で一息ついていた。 ビルの陰で体を休めた本居は入谷に電話した 「署長か頼みたい事がある」 「本やん、今忙しいんだ、色々あと始末が急がれてて、実は捜査本部を作ってたのが」 「その事である人物に俺のケータイを教えてくれ」 「誰だ」 「刑事局長の大郡さんだ」
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