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西武新宿線南大塚駅、南口を降り
それを南に向かって進むと中層のマンションが立ち並ぶ場所に出る
テニススクールや公民館が近くにあり、この辺でも雰囲気のいい場所である
警視庁からの送迎の乗用車はその十階だての築十年ぐらい鉄筋マンションによこずけになった
中から本居が出て来ると車は走り去った
ゴシック調の洒落たエントランスに入ると中扉があった
ナンバーディスプレイにナンバーを入れると中扉のロックが外れドアを開ける事が出来る
本居はドアを開けて中へ入った
七階に住む本居は自宅の鉄のドアの前に来た
本居と木の表札がかかっているドアの前でズボンのポケットをガサガサやって銀色のキーを出しドアを開けた
ギーと言う金属音がしてドアが開いた
中は時刻のせいもあり薄暗い
本居は廊下の電気をつけた
あの時から人の気配がなくなった家である
本居は中に入ると最初に入る畳十畳ほどのリビングに入った。
その奥がダイニングキッチンになっている
そして電気をつけた
電気をつけるどダイニングテーブルがはっきり見えた
小さなダイニングテーブルには正確に椅子の配置があった
キッチン側に近い所に大きな椅子が一つ、その向かえに大きな椅子が一つ、そしてその両側にあまり大きくない椅子が一つづつ置いてあった
本居はしばらくそのテーブルを見ていたがキッチンの方の冷蔵庫に行きビールを出してキッチン側でない方の大きな椅子に座った
ビールを一口飲み目を瞑っているとケータイに着信があった
ディスプレイで確かめて本居は受信した
「はい、本居です」
「本居、俺だ」
「これは入谷署長殿、何かご用ですか」
「同期じゃないか
二人の時はお前俺で行こう」
「そうさせてもらう
何だよ説教か」
「キャリアいじめはやめろよ、あんなトコロテン人事で実力もないのに刑事部長になった奴なんか
」
「しかしいくら順番だって、あんなのに刑事部長がつとまんのか」
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