聖女へ

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上司警察庁長官は言うに及ばす任名者である総理大臣にまで及び政権まで揺らぐ可能性もあるためなんとしても認めたくなかったのだ しかし警視庁のこの態度は国民から見て明らかに無能と見られてしまい警視庁だけでなく警察組織に属する全ての人間の大きな屈辱になる この感情が後のトラブルに大きな影響を及ぼすとも知らずに 赤城遼子の出演は遼子が何度も視聴率を制してドラマの女王の名をほしいがままにしたNテレビの9時のニュースで行われた テレビ局はネットワークキー局のメンツにかけても、この降ってわいたような幸運を利用して瞬間視聴率の新記録を目論んでいた。 一方空を踏んだ他局は裏番組にするほどのイベントがなく視聴率を奪われる事は明らかだったので通常番組を流したり、あえて赤城遼子失踪事件についての報道を振り返ったりして平静を装っているが心中は穏やかではなかった。 キャスター コメンテンターとして集められた各界の論客が集められ、その中には警察OBである社会評論家も加わっていた。 キャスターが厳かに番組開始を告げたあと言った 「視聴者の皆さん本日一本の電話がかかって来るのを我々は待っております」 キャスターは水を飲んだ 「その電話の相手とは、かつてブラウン管の前の男性陣をその魅力により虜にし、女性達の憧れとぜんぼうの対象となった一人の女性 あえて言わしていただきます国民的美人女優赤城遼子さんです 突然赤城遼子さんが我々の前から消えてからかなりの時間が経ちました 今日その遼子さんがこの番組に電話と言う形で出演していただけます 失踪の理由、現在の状況を語っていただけるのではないかと期待が高まります 果たしてこの失踪事件にどのような裏事情があるか 我々は今日それをまのあたりにします やがて番組用の電話の一本に電話がかかりオペレーターの一人が確認した 声はスタジオ内マイクに転送された キャスターが言った 「あなたは赤城遼子さんですね」 「はい女優の赤城遼子です 皆さんにご心配をおかけして申し訳ありません ここに深くお詫びいたします」 「司会の古館です お久しぶりです」 「どうも古館さん 遼子です」 「遼子さんあえて言わせていただきます 遼子さん何で? あなたほどしっかりした女性が これは私だけでなく全ての視聴者の疑問だと思います」 赤城遼子はしばらく
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