聖女へ

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沈黙していた キャスターは勢いづき、そのまま追求しようとしたが失踪動機は最大の肝であるため序盤で明らかにしてしまうと視聴者のタイムCM(番組スポンサーのコマーシャル)の引っ張りに失敗してしまうためディレクターの方から制止が入った キャスターは追求を抑えた キャスターは言った 「遼子さん今回はどのようなお気持ちで、このテレビ出演をお決めになったのでしょうか」 「はい、私を今まで支えてくれたスタッフやファン他多くの方々にご心配をおかけしている事が心苦しくなりまして、まずそのお詫びをしたくてお電話させていただきました」 この時遼子の事務所の先輩で遼子を可愛がってるベテラン俳優が段取りを無視して口を挟んだ 「遼子俺だ」 「先輩すいません」 「君らしくないな なんで俺に相談しない」 「先輩にご迷惑をかけたくなくて」 「君ほどの女性がなんでこんな形で失踪したんだ 仕事の事か まさか君に限って男関係と言う事はないよな」 キャスターは段取りを無視するベテラン俳優に目で注意した。 遼子は答えず暗いムードが続いた キャスターは遼子の機嫌を損ねては元も子もないので発言の強制はしなかった 沈黙したままCMに入った 副調整室ではディレクターがモニターを見ながら顔をしかめていた。 「まずいな 数字も思ったほどあがらないし それにしても赤城遼子はどうゆうつもり何だろう このまま沈黙を続けたら視聴者をバカにしたのと同じだよな」 ADが言った 「遼子さんは話そうと思ってるんでしょうが古館さんが、その雰囲気を作れないんでしょう」 「いざ出演してみると言い出せないのかもしれないな」 「赤城遼子も普通の女なんですね」 「しかし困ったな 数字がこれじゃあ 何かインパクトが」 臨時のテレフォン担当フロアディレクターが言った 「変な電話があったんです 電話赤城遼子じゃないんじゃないかって」 ディレクターは言った 「赤城遼子じゃない?」 「その電話の人が言うには遼子は江戸弁がツイててしとひをはっきり区別出来ないらしいんです」 ADが言った 「何でも、彼女はその辺へ行くとトーンが落ちて早口になるそうです、男の俳優なんかボソボソ話す人は、はっきり言いわけられない言葉があるせいだっていいますし、確かに電話では同じ調子でしっかり話してましたね」 「まさかと思うが声紋鑑定
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