聖女へ

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依頼しろ」 「わかりました」 サブのディレクターが言った 「しかし酷いですね 世帯視聴率どんどん落ちて行きます こうなったら一気に失踪動機に持っていったらチーフ」 ディレクターは言った 「いや、無理強いは今の赤城には無理だ 古館さんもそこら辺はわかってるから煮え切らない司会をやってるんだ 赤城の方から言って来ながらだんまりを決め込むのは非常識だが」 「ただ関係者に詫びたいから掛けて来たんでしょうか」 「何かそれが問題か?」 「いえ、とりあえず鑑定結果を待ってからにしましょう」 その頃スタジオのキャスターは何とか赤城の発言を引っ張り出そうと苦心していた。 「遼子さん、失踪後いろんな報道が出ておりますがお気持ちをお聞かせ下さい」 「はい、事実とは違う報道が多くて辛いですが自分が悪いので仕方がありません」 「今回のご出演はそう言ったメディアの行き過ぎに対する批判や警告と言った意味と取る事が出来ますが」 「いえ、そう言った意味合いではありません、あくまでお詫びの為にかけました」 サブにいるディレクターは電光掲示盤の数字を見ながら溜め息をついていた。 「古館さん、今の掘り下げ方はいじめに取れるよ」 その時ADが言った 「声紋鑑定の先生から電話です」 「こっちへ回せ」 ディレクターは電話を取った そして怒鳴った 「八十パーセント以上の確率で赤城遼子の声じゃない?」 あまりの声に鑑定家が怯んだ 「すいませんありがとうございました」 電話をおくとDはスタッフの方を見て言った 「どうゆう事だ 別人なのか 何がなんだがわからない 誰がかからかって掛けて来たのか? これは茶番劇か 我々は誰かの茶番劇につきあわされてるのか」 サブのディレクターが言った 「チーフ落ち着いて下さい こんな大仕掛けの茶番劇を愉快犯がやったとでも言うんですか」 「しかし現に」 「裏があります 参考意見として聞いて下さい この失踪劇ですが我々は遼子の方だけを見過ぎじゃないでしょうか」 「何だと」 「インフィニットの草苅です 原因は彼かもしれません」 「草苅、?」 「草苅は昔反社会組織にいたそうです 今でも完全に切れてないらしい 草苅が連中と何かトラブルを起こしたはらいせに、遼子を拉致したのかもしれません」 「そうかすると犯人
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