聖女へ

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それはある視聴者のTwitterを通じてネットの世界にあっという間に拡散した。 誰もが考えの及ばぬ衝撃的事実だった 人々のほとんどは、今度の会見を有名人特有の言い訳会見と高をくくっていた。 今回の一連の赤城遼子の行動に人々は赤城遼子に少し幻滅していたのだ。 しかしそれが一転した。 人々は赤城遼子失踪事件を真剣に理解しようと考えるようになった 副調整室(サブ)の中で歓喜の声が響いた 「数字がどんどん伸びます とどまる所をしりません オンデマンドの配信も凄い状態です、YouTubeとかスマートフォンを道で見ている人々で交通渋滞がおこってます」 まわりのスタッフ達の興奮をよそにディレクターは冷静に事態の推移を見守っていた。 『さあ、どうでる』 ディレクターはフロアディレクターに寄れと言うリアクションをした。 視聴率を睨みながらキャスターに突っ込めと言う指示を出したのだ。 テレビ局はニュースキャスターは自分だけで考えて発言しているわけではない 指示を受けたキャスターは、また少し考えた そして話始めた 「遼子さん、私も視聴者の皆さんもあなたから謝罪の言葉はいただいてますが、まだまだ誠意は十分伝わってないように感じます どうでしょうか一度スタジオにいらしていただけませんか」 サブの中では対照的な反応が起こっていた。 ADの一人は言った 「さすか古館さん やんわり遼子を追求してます」 ディレクターは怒った 「あれでは電話を切るきっかけを与えてやってるもんだ 古館さん余計な事を」 しかしスタジオでは遼子の電話は無回答だった ディレクターは思った 『おかしい、偽物ならば声紋鑑定の疑いが出た所で、リアクションは2つ 本物ぶって抗議するか、バツが悪くなり電話を切るか 本物なら怒り出すだろう 無言を貫くと言うのは自分が偽物だと言ってるような物だが、それが偽物に何のメリットがある? 待てよ、キャスターも声紋鑑定以降の電話の態度に不審を抱いていたはずだ だからわざと電話を切りやすい口実を提供したのかもしれない」 刑事局長は本居の意見を取り上げなかった事に何か罪悪感を感じながら専用車で自宅に向かっていた。 そこで何の気なしにスマフォを見ていて唖然としていた。 局長は周りの渋滞振りを見ていた。 刑事局長は運転手に行った 「霞ヶ関の方に戻れるか」
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