失踪

8/9

35人が本棚に入れています
本棚に追加
/336ページ
「いずれにしても無意味に上に楯突くのは良くない 警部になる話が何度も頓挫してるんだぞ」 「 小言を言うためかけて来たわけじゃあるまい」 「そうなんだ 実は一人面倒を見てもらいたい」 「おいお前最近の俺のあだ名を知ってるな」 「知ってるよ それでもお前に面倒みてもらいたい それにこの事件をやらしてもらいたいんだ 戦力になると思う」 「何で?」 「そいつは元芸能人なんだ 芸能界には詳しいしコネもある」 「芸能人、まさかマッキーとか言う」 「その通り真壁憂 トランスポーターのリードボーカルだ」 「やめた」 「何故だ アイドルだったからか」 「それもあるが派手なトラブルを起こして引退した奴だよな 芸能人も刑事も同じだ プロ意識のない奴には務まらない」 「手厳しいな、簡単に受け入れてくれるとは思っちゃないが」 「わけありか」 「わけありだ 副総監の強いプッシュだ」 「副総監?」 「真壁の叔父はな 元警備局長(警察庁)だ 警察をやめた後もキャリア達から尊敬されてる」 「総監狙いのための多数派工作か 今元アイドル小僧は何やってるんだ」 「某所轄で庶務だ」 「刑事の経験は」 「ゼロ」 「おい、マルタイ(まだガイシャとは言わない)のかんどりを任せたのはお前だぞ そんな足でまといの奴」 「心配するな これはヤマにはならない」 「なんで言えるんだ」 「調べたんだがな 赤城は事務所と揉めてたんだ 事務所に冷や水を掛けてやりたかったんだ 事が大きくなって出て来れなくなった そんな所だ」 「適当にやれっていう事か」
/336ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加