聖女へ

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「いえ、私は捜査本部は警視庁のみでいいと考えます 事件が起こったわけてばありませんから」 「君らしくないな しかし今回は我々に譲ってくれ 赤城涼子が万が一被害者でこれ以降殺害されたばあい、国民は必ず責任を追求して来る、その時少しで被害を少なくするには大規模な捜査線を敷いて置く必要があるんだ」 「しかしそこまで大規模な捜査線を敷き失策があれば、責任の追求は弱くても無能と言われます」 長官が怒鳴った 「いい加減にしたまえ、まるで君は事を大きくされると都合が悪いように見えるぞ」 官房長は答えず言った 「わかりました では私は失礼いたします」 官房長は憮然とした顔で会議室を出て行った。 警視総監が言った 「官房長、様子がおかしいですな」 長官が言った 「与党の大物と昵懇とは言え、ここまで我を通す事はなかったのに」 刑事局長が言った 「総監、ちょっとよろしいですか」 「局長何か」 「あの、捜査本部ですが、今度設立される特別捜査本部は今まで捜査本部をそのまま引き継ぐと言うわけには行かないでしょうね」 「臨時にあった極秘の捜査本部は、生活安全課事件レベルと言う事で設立されたものだから、資料はともかく捜査官は本庁捜査課、大規模警察署の腕利き捜査員をメインに投入するつもりだ」 「実はメインで加えて欲しい警察署と捜査員がいるんですが」 「捜査員? 天下の刑事局長が一捜査員を」 「なんとか南お茶の水署を加えていただけませんでしょうか それがダメなら本居警部補だけでも」 「本居警部補、薬の本居か、確かに優秀な刑事だが賞罰で降格し、今は所轄の一捜査員だ それに南茶署は小規模警察で入谷署長の階級は警視、今回の大捜査線には裃が無さ過ぎる 末端がいいところでしょう」 「実は本居は私の中学校の後輩で、まそれはともかく今回の本質をいち早く気づいていたようで、私に忠告してきたんです それを無視してしまったので何か力になってやりたくて」 「エリート崩れの切れ者とは聞いていたが、そうですか 元々南茶署は極秘捜査本部の主力だったそうだから、署長を捜査本部長には戻せんが別動隊でかんどりを続けてもらうように刑事部長に命じておきます」 「ありがとうございます」
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