聖女へ

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事を大袈裟にするのに躊躇していた もしかしたらあまり事が大袈裟になると都合の悪い事情があったのかもしれない」 「じゃあなんで事を大袈裟にするように路線変更したんですか」 「おそらく事情が変わったんだろう 何かが起きて赤城が身の危険を感じて来て 何か、まさかあれじゃあ」 「なんですか?」 「お前も知ってるだろうがカトリックの副教区長が殺されただろう?」 「ええ」 「実はあの副教区長赤城遼子の過去を知ってるかも知れない」 「会ったんですか」 「そうだ、聞き込みをした それで何か俺に情報提供してくれそうな電話の途中に殺害された 待てよ、まさか俺に接触しようとしたから殺された 殺されたのを知った赤城遼子が身の危険を感じて今度の騒ぎを起こした これなら一本につながる」 「しかし先輩それでは先輩も赤城遼子の敵に監視されるんじゃ」 「いや、すでに監視されてるのかも」 「それじゃあ先輩は危険じゃあないですか」 「心配するな、警察が動き始めた中で警察官殺しは火に油を注ぐような物だ」 「しかし」 「もちろん油断は出来ない しかしそんな事言ってたら捜査なんて出来ない こっちが核心に迫るまで易々と手を出して来ないだろう とりあえず力のある奴なら牽制して来るはずだ」 「とにかく気をつけて下さい」 「ところでそっちは進んでるのか?」 「実は面白いネタを あのですね」 「電話のやりとりは危険だ 東京に帰ってから聞く 赤城遼子の空白期間と同時に調べて欲しい事がある」 「なんですか?」 「草刈暁の事だ」 「えー社長の事ですか」 「なんだ知り合いを調べる事ぐらいで後込みか」 「そっそう言うわけじゃ」 「こっちはお前の女々しい態度に付き合ってる暇はない 要件だけ言うぞ 草刈暁は大学のイベントサークル出身だ その頃から芸能界とつながりを持った 学生時代から起業家気取りで卒業と同時に事業を起こすが大失敗、多額な借金を作り闇金にまで手を出し、それが原因でヤクザに漬け込まれる 一時はイベンターの傍ら某組織の企業舎弟の用な事をしていたそうだ 業界人からは草刈のイベンターとしての才能を高く評価されがらも危険視されて大きな仕事を任される事はなかった ところがそんな草刈に転機がやって来る 草刈は組織から足ぬけして、芸能界の仕事一本になるんだ そして現在の地位
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