聖女へ

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いないんだな」 「そうだ、捜査に対する圧力だ 何者かが警視庁の監察室に圧力をかけた おそらく君を外したいんだ」 「外すって仮捜査本部は解散したんだろ?」 「正式に捜査本部が出来て南茶の刑事課はそのまま事件を担当する、君の中学の先輩が口を聞いてくれたらしい」 「それを知って、俺を捜査から外すため俺を殺害事件の重要参考人と言う無理な解釈で警務課を動かした 特に完全独立の警視庁監察室に命令を下せるのは限られてる」 「刑事局長肝いりの君を外すなんて形を取れるのは刑事局長と同等、いやそれ以上の力を持ってる奴だ」 「長官、総監、いやもう1人いる あいつか」 「警察庁を牛耳ると言われる官房長次原大樹」 「政治的過ぎる官房長が干渉するってのは政治絡み外交絡み」 「いや、政権維持と言う大義名分があるなら、こんな回りくどい事はしない、直接刑事局長に圧力をかけるはずだ 同じ警視監の階級だがポストに置いては官房長は局長の上席にあたる 特に人事に置いては官房長の意見は最も優先事項となる」 「確かにな すると政治家へのおべんちゃら以外の理由で本ヤンを外そうとしてるのか」 「とにかく、まどろっこしい事をしてくれたおかげでこっちもやりやすい」 「とにかく早く帰って来い」 「いや、ここでまだやる事がある」 「しかし監察は北海道警に命じ君を捕縛するかも」 「わかってる、だからその北海道警を味方につけるんだ」 「道警にコネがあるのか」 「いや、だからコネを作るのさ ちょっとした土産を持ってな 俺の事はいいからルーキーの事を頼むぞ あいつも色々知っちまった」 「大丈夫だ、あんな小僧、邪魔者とは見られない」 「それならいいが じゃあな」 本居は電話を切ってノートパソコンを開いた そしてカバンからUBSメモリーを出してパソコンにセットした。
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