第9話本居の賭け

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面差しは少しエラが張っているが目立つほどではなく意志の強そうな感じに見える、意志が強そうなのは太くはないが真っ直ぐな眉や厚い唇にも現れている 目つきは鋭く知的だが暗くニヒルな感じで無意識に目を細める癖がある 耳の下から薄く髭を剃らずあごひげも剃っていない 役人には似つかわしくない顔の管理である 服装も赤い色の入ったネクタイを巻いていたり、少しダンディーに仕上げている 幹事長が言った 「私を監視するのが目的でないなら改めて自己紹介してくれ」 「はい、関東厚生局麻薬取り締まり部部長秋津瞭と申します」 「厚労省の麻薬取り締まり 警察ごっこをする厚労省の役人が私を守れるのか」 官房長が言った 「何かの時先生と警察の癒着がわかると互いに都合が悪いので」 「聞いたかいよいよとなれば私も君も捨て駒にされるそうだ こいつはそう言う男だ この男にとって一番大事なのは国家でも世界平和でもない 警察と言うシステムだ それを守るためならこの男は悪魔にだって魂を売る どんな野心があるか知らないが、今のうちに手を引いた方がいいんじゃないか」 「捨て駒になるか、大駒に化けるかは最後は自分の器量だと思ってます 御心配ご無用に願います」 「官房長、この男の目つき君とそっくりだな」 「だから側に置いてるんです先生」 「君もつくづく変わった男だ」
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