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「木戸……秀一先生でしょうか？」
先ほどと殆ど同じ言葉の繰り返しだったが、そこには警戒心と威圧感が上乗せされていた。
秀一はハッと我に帰ると、慌ててそれに答えた。
「ああ、すまない。その通り、僕は今日からここで教師をやらせて頂く木戸秀一だ。いつの間にか背後にいたもんだから、つい驚いて言葉に詰まってしまってね。申し訳ない」
必死で弁明をする秀一に、少女は少しだけ口元を上げて笑った。
「そうですか。それはこちらこそ申し訳ありません。私は梨亜。霧咲梨亜（きりさきりあ）。生徒会副会長をやっています。よろしくお願いします」
「あ、ああ、よろしく」
ペコリと頭を下げる梨亜に、秀一も慌てて礼を返す。
未だに梨亜の瞳が笑っていないのは、人見知りをするタイプだからなのか、それともまだ自分が警戒されているからなのか、秀一には分からなかった。
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