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「アンタの……アンタのせいで詩子は死んだのよ! アンタがすぐに来ないからっ!」
「ごめんなさい! ごめんなさい……っ!」
人だかりに気付いて慌てて駆けつけた秀一達が見たものは、一人の少女が凄い剣幕で別の少女に食ってかかっている様だった。
「あれは叶絵と由梨……! いったい何が……! すみません、先生は一度部屋に行っていて下さい。部屋番号や寮の場所は知らされておりますよね?」
「あ、ああ……」
「でしたら、すみません。お願いします」
そう言い残し、梨亜がすぐさま二人に駆け寄る。
「どういうことだ、由梨。何があった?」
梨亜がまるで射抜くような瞳で、責め立てられていた方の生徒から話を聞く。
「ごめんなさい……ごめんなさいぃぃ……」
しかし返ってきた答えはまるで答えになっていない。
ため息を吐きながら、梨亜が怒鳴り散らしている少女から話を聞く。
明らかに落ち着きを欠いた人間から話を聞くのは骨だろうな、などと考えながら、秀一は持たされていた案内を元に自室へと向かった。
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