第一話

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「さて……」 大きく息を吐き、マイク付きヘッドフォンをパソコンに繋げる。 そして通信画面を開くと、はっきりとした口調で、マイクに向かって語り出した。 「こちら木戸秀一。無事に侵入成功。ただいま、何らかのトラブルが発生したようで、まだ能力者の把握などは済んでおりません。追って、詳細を報告します」 簡単な報告を終え、パソコンを閉じる。 そしておもむろに次のタバコに火を付けながら、画面に映る少女達のことを眺めていた。 「……悪く思うなよ。俺達にはお前達の情報が必要なんだ。イーターが、外の世界を蹂躙する前に……」 秀一が小さく呟いて、窓の外を眺める。 彼が見据えるのは、はるか遠くにそびえ立つ赤茶けた壁。 四方を囲むその壁こそが、秀一の住む世界と少女達が住む世界の境界線だった。
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