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「アハハハハッ! 冗談だよ、冗談! 本当に当てるわけないじゃん!」
腰を抜かした秀一を指差して、輪廻が腹を抱えて笑う。
秀一はと言えばへたり込んだまま、呆然とした様子で黙り込んでいた。
「ごめんね先生~驚いたあ?」
輪廻に引き起こされながら、秀一は内心穏やかでは無かった。
――めちゃくちゃだ、と思った。
少なくともイーターにダメージを与えられるだけの技を人間の、しかも初対面の教師に向けるとは。
しかも輪廻は、反省の色も無しに笑っているのだ。
叱りつけてやらなければと思いつつ、いきなりのことに動転して声が出ない。
しかしその直後、彼が思わず目を疑うような異変が起こった。
――すぱすぱすぱっ!
「ふぇっ……?」
空気が振動し、カミソリのような刃となって、輪廻を包み込む。
次の瞬間、まるで桜が舞い散るかのように、輪廻の着ていた白い制服がはらはらと舞い落ちた。
「ひ……ひにゃあああああ!!」
何が起こったのか分からず呆然とする秀一の耳に、輪廻の悲鳴が飛び込んでくる。
制服を切り裂かれたその身体に纏われているのは、黒地にピンクの花柄が映える可愛らしい下着のみ。
幼児体型と言っても良い体つきではあるが、当然恥ずかしいのだろう。
慌ててしゃがんで身体を隠す輪廻の後ろに、鬼の形相をした梨亜が立っていた。
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