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たかが病院の受診、そう思う人間もいるだろう。しかしこの日を逃せば次はいつ行けるか分からない。もし職場の人にそのことを訊かれたら上手く誤魔化す自信がないと馬鹿な心配をする。何より間に合わないから受診日をずらしてもらうという行為をやねは恥ずかしいと思っているくらいだ。明らかに恥ずかしいと思うポイントがずれている。
しかしやねは不潔なことに昨夜風呂に入らず眠りについてしまった。これから自転車で10キロ先の病院に行くことを考えると汗で悪臭を放つことは容易に想像できる。どうせ臭いのであれば別に風呂に入らなくてもいいんじゃないか?そんな愚かな甘えが頭によぎったが流石にそれはまずいだろうと考え直す。普段ズボラなやねだが見栄だけは一人前である。
現在9時半。約束の時間は11時半。自転車で走ったとしても最低でも一時間はかかる。しかし一時間もあるのなら風呂くらいは入れると思いやねは悠々と30分風呂に入った。歯を10分かけて磨き身支度をして戸締まりをして家を出た。ちなみにこの時点で時刻は10時半である。
やねは熱中症対策は怠らなかった。近くのコンビニでソルティライチを買い、おまけに朝食としてお握りとウイダーインゼリーを摂取した。塩飴も常備しており、対策に余念がない。なんだか根本的な部分がおかしい気もするがそれは気づかなかったフリをしておこう。固形物を撮らなすぎとは思っていけない。時間が無かったのだ。
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