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ガンッと鈍い音が鳴り響いた。6人を相手にするロードは長らくの囮で腕が鈍ったか、床に蹲っていた。歯が立たない訳ではないようで敵も傷を負い、出血しているところもあった。それでもロードの傷の方が圧倒的に酷く、満身創痍。
「オイオイどうしたぁ!? さっきの勢いは虚勢か?ボスっていっても名ばかりじゃねぇか」
敵の中でもリーダー格の、最初からいた男が嗤う。まるで自分達の勝ちだとでも言うように。そこへ気の弱そうな男が恐る恐る声をかける。
「な、なぁ……こいつ本当にボスなのか?」
「何が言いたい」
「だっ、だってよぉ、こいつらのファミリーって結構強いんだろ? それなのに」
ピッ、ピッ、ピーー__________
男の言葉は最後まで紡がれず、やけに耳に残る機械音とそのあとに轟いた爆発音に消された。
……タイミング早えよ、エンヴィー
突然の爆発に焦り、逃げ出そうとする敵とは対照に、ロードの口元は弧を描いていた。
「お前何笑っ……!! もしかしてこれ、お前らの仕業か!? 爆弾仕掛けたのも」
「だったらこいつ、本当に囮だぞ!ボスが捕まってんのに悠長に爆弾仕掛ける筈がねぇ!!」
「やぁっと気づいたの?遅いよ、遅過ぎる。早く逃げないと……どうなっても知らねぇよ!?」
こんな状況下でも笑っていられるロードに恐怖し、敵は悔しそうな顔をしながら蜘蛛の子を散らすように逃げていく。
「やっと逃げたかぁ…本当遅いよ。…さっきあんな事言ったけど俺も結構ヤバイ状況だよねこれ!? え、どうしよう!? ランタンさん来てくれっかな!? くっそエビの奴嫌なタイミングで爆破しやがって! 俺としては助かったけど! 助かったけど、その後死にそうになってんだけど!?」
先程の余裕はどこ行ったのか、焦りを全面に出し助けを乞う。そこへ第二波が来る。1回目の爆発が悪戯に思える程の規模。崩れ始める建物、燃え盛る炎。柱がやられたのか崩壊は近い。
「は……ちょ、何これ、聞いてない!」
逃げねば死ぬ。それが頭をよぎり必死に脱出を試みるが、意外にも身体は弱っており言うことをきかない。
「……くっそ! 動けよ!」
腕を床に叩きつける、悲鳴をあげる身体に鞭を入れ無理矢理動かす。重かった身体が軽くなったのに気づいたのはその時だった。
「全く……死んでいいとは言っていないぞ」
「~っランタンさん!」
いつの間にこんな近くに居たのか、ランタンがロードに肩を貸していた。
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