どこまでも白い夏

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「2週間ぶりですかね」 僕が冷蔵庫にゼリーをいれ、椅子に座ったのを確認すると、彼女は話し出した。 「そうだね、期末試験があってちょっと遅くなっちゃった」 「ほんと圭一さんが退院してから寂しかったんですよー?」 彼女はクスクスと笑った。 そう、僕はつい2週間前までこの病院に入院していたのだ。 なんの事はない、食あたりが原因の胃の炎症だった。 彼女と喋ったのは、入院中僕が談話室で暇そうにしてたのを見て、彼女が話しかけてくれたのが最初で、それ以降はこの病院に同年代が僕らだけだった事もあり、毎日二人でオセロやトランプをしたり、ぐだぐだと駄弁ったりしていた。 そして僕は退院し、必死に期末試験を乗り越えて夏休みに入ったところで、再び彼女に会いに来たという訳である。 「テストはどうでしたか?やっぱり直前に学校休んじゃうと大変でした?」 「大変なんてもんじゃないよ、3日間くらいは徹夜したかな、ハハ」 3日!?と彼女は大袈裟に驚いた。 「でもちょっと羨ましいな。私、一度も徹夜したことないんですよ」 と、彼女は少し暗い表情になって言う。それが僕は気まずくて無理に明るい声を出した。 「いやいや徹夜なんて辛いだけだよ!お肌も荒れちゃうしね」 お肌って女の子みたい、と彼女が笑うのを見て僕は少しだけ安堵した。
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