どこまでも白い夏

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その後は他愛もない話をして、夕方くらいに彼女の検診があるというので僕はおいとますることにした。 「また来てくれますか?」 帰り際、彼女が寂しそうな顔で言うので、僕はもちろん!と答えた。 「またゼリー持ってくるよ」 「やったー、楽しみにしてますね!」 来たときと同じ、パァという明るい表情で彼女は笑った。 そこから僕は3日に一度は必ず彼女の病室を訪ねるようになった。 幸いな事に友達の少ない僕は夏休みの予定はすっからかんだったし、宿題も最初の1週間で終わらせた。 彼女の笑顔を見るためならなんだって出来るような気がした。 彼女の、同い年なのに敬語で喋るところがたまらなく可愛かった。元気で人当たりが良く、聡明なところが誰よりも尊敬できた。 僕は彼女に憧れていた。 いや。 より正確に有り体な言葉で言うなら。 僕は彼女に恋をしていたのだ。
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