第一章

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面白いなんて、言われたのは久しぶりだった。 「…や、別に思ったままを言っただけなんで。」 「なんていうのかな、こう…言い方とか言い回しとかツボなんですよ。」 未だに笑いながら言っているけど、俺にはその笑いのツボはわからない。 わかるわかるーとあまちゃんは伊月さんと盛り上がる。 …面白いって、よく立花も言ってくれていた。 「お前面白いのな。なんか俺そういう考え方好き。」 満面の笑みでそういわれて、人前で顔が真っ赤になってないかだけが心配だった。 友達としてということは勿論わかっているが、好きな相手に好きという言葉を言われると反応に困る。 「ね、行こうよ?・・・・って聞いてた?久遠!」 あまちゃんの少し大きめな声と二人の視線ではっとした。 「あ…ごめん。ぼーっとしてた。」 「だからこれから3人でごはん行こうって話してたの。チーフは今日は忙しいみたいだし。」 チラッと伊月さんを見る。 なんかあんまり伊月さんとはプライベートな付き合いはしたくないんだよなぁ…。 「ほら、同じ年だしさ。仕事はじまったばかりだから、情報交換なんかも兼ねて。」 あまちゃんは来るわよね?といわんばかりの目の圧力が…俺が行きたくないのわかってるくせに…。 「わ…わかった。」 「「おつかれーーー。」」 来たのは居酒屋だけどアジアンテイストな店内で少しムーディーな感じだ。 まず一人では来ないだろう。 ガッツリメニューもあって、お酒の種類も豊富とのことで伊月さんが案内してくれた。 「あまちゃん、飲みすぎ注意。俺送んないからね。」 じとっとあまちゃんを見ると 「分かってるわよ。ちょっとこの後予定あるしー。」 少し照れたような表情をしていてピンときた。 「え、彼氏?」 「そ。半年くらいかな?一緒に住んでんのよ。向こうも今日飲み会だから終わったら連絡するって。だから飲みすぎませんー。」 え…この間チーフ送っていったときは大丈夫だったんだろうか。 このやり取りを見ていた伊月さんが 「二人って本当に仲がいいですね。学生の頃からでしたっけ?どんな学生生活だったんですか?」 なんてことを言うもんだから…
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