第一章

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「いや…大した話じゃ、」 「あ、そうそう。ごめん、彼氏から連絡来たから私はそろそろー。2人はゆっくりしてってね。」 えぇぇ!? 嘘だろ…。あの話の流れで帰る? 女のカンというべきか、あまちゃん妙に鋭いんだよな、、、。 俺がなんか伊月さんに対して意識してるもの気づかれているんだろうな。 「あれま、2人になっちゃいました。」 「…そうですね。」 ヤバい、会話が続かない…。 注がれる視線は感じるけど、眼を合わせれない。 「前から思ってたんですけど、俺ら同じ年だし、敬語なしにしません?」 「あ、、、そうですね。」 「ぷくく・・ッ、ね、久遠さん、それがもう敬語になってる。」 「あ、すみませ…。」 そしてさらに笑われる俺…。 「す…すぐには無理かもしれないので少しづつ…たぶん伊月さんが敬語じゃなくなったらそれに合わせていけるとおもうので…。」 未だに笑いながらわかった、という伊月さんの目尻にうっすら涙が溜まっている。 「やっぱり、久遠さんは面白いなぁ、すごく好きです。そういうの。」 あれ…やばい…なんだこの感じ・・・。 「どうも…。」 そういって視線を下に向けた時だった。 視界が明るくなった。 目の前には伊月さんの顔…。 前髪を上げられて顔を見られているのだと気づいた…。 「…眼鏡、度数入ってない?どうしてかけているの?」 超至近距離で見てもイケメン過ぎる。 「え、えっと、すみません手を…。」 「……ってない。」 聞き取れなかったがおでこに添えられている手を外そうと手に触れると、 そのまま俺の頬に移動してきた。 「…俺の家、ここから近いんで少し飲みなおしません?無理強いはしないけど。」 普通なら、普段なら断るはずなんだ。 だけど、なんでだろう。 考える前に、頷いていた。 「どうぞ、あまりきれいにできてないけど。」 「お邪魔します。」 …俺、どうして来ちゃったんだろう。 いや、なんか雰囲気的につい…いや雰囲気ってナニ!? 人の家に呼ばれたの久しぶりすぎて緊張してきた。 「あの…ビールでいい?そこらへん適当に座って。」 「あ、はい、ありがとうございます。」 でも、どうして家に呼んでくれたんだろう…。
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