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「中学の頃からしたらお互い背も伸びたし、顔つきだった髪型だって変わってるのにさ。
驚いたのもあるけど、やっと会えたっていう気持ちが大きかった。
直ぐに明かさなかったのは、ちゃんと久遠に思い出してほしかったから。」
「…あの時は約束破って悪かったと思ってる。だって立花はストレートだと思ってたし、俺も限界だったんだ。」
現に友達に聞かれたときは、動揺することなく否定していたし。
まぁ肯定はしないだろうけど。
「あーだってさ、バレたら傍にいられなくなるじゃん?まぁ俺もさ、実際のところ思春期の気の迷いなのかなーとか悩んだりしてたんだよ。」
そうだったのか…。
「話はわかったけど…立花と俺は今同じ職場の同僚な訳じゃん。立花はどうしたいの?
あの頃から時間もたってさ、確かにあの頃はあふれるくらいの気持ちはあったと思う。
叶わない恋ってさ、時間が経てば経つほど美化されていくんじゃないかって俺は思う。」
あの頃の話はわかったけど、じゃあ付き合いましょうっていうのは違う気がする。
だってお互いの知らない空白の10年間があるんだ。
それをなかったことにしてあの頃のように付き合うのは無理だ。
「…だろーね。久遠の言いたいことはわかる。
分かるけどさ、俺はそれでも付き合いたいって思ってる。久遠とキスしたり、エッチしたりしたいし。」
・・・・・・凄いことさらっというなよ。
「え、?そ、その立花って、男とは経験、あんの?」
「いや、ないけど。ってゆーか、久遠以外は俺たぶん無理よ。
まぁでもやり方とかはわかる。
…久遠はあんの?」
「俺は…ある。」
そういったとき、立花の眼はぎらついた気がした。
「……へぇ、意外だな。…高校で?」
「いや、専門学生時代。」
初めての相手はお互い、誰かの代わりを探していた似たもの同士だった。
足りないものを補うように惹かれあって関係をもった。
暫くは続いたけど、行為の後の虚しさに耐えられず関係は終わった。
思えばあの頃もまだ、立花のことを引きずっていたんだろう。
「そいつと…する時も俺のこと考えたりしてた?」
「そ、そりゃ、忘れようとはしてたけど。」
その瞬間唇にやわらかいものが触れた。
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