華知らぬ暁、子犬と檸檬

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 素肌や体のラインを極力露出しない、ダボッとしながらも襟元がつまった服。  いざという時に動きやすいパンツスタイルとペタンコの靴。  僕の目には十分お洒落に見えるけれど、きっと、夏子さんにはもっと似合うスタイルがあって。  夏子さん自身も、きっと、着たいけれど我慢しなくちゃいけないデザインがあって。  きっと隣にいるのが華さんだったら、夏子さんはそんな我慢なんてしないでショッピングを楽しむことができて。  でも夏子さんはそれだけの我慢をして、危ない目に遭うかもしれないって分かっていても、今日半日、僕に付き合ってくれていたんだ。  呼び出したマスターが来ないで、僕が今日の相手だと分かった時点で帰っても良かったのに、それをしないで僕と一緒にいてくれたんだ。  そう思ったら、何だか心臓の裏がキュッとなった。  最近、ふと夏子さんのことを思うと、よく似た痛みを感じる。  本当に病気なんじゃないか、1度診てもらった方がいいんじゃないかと思うくらいに。
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