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サァッと周囲の空気が温度を下げた。
ヒッ、と誰かの喉から悲鳴が上がる。
誰もが恐怖に凍りついて、身動きが取れない。
「……行こう、夏子さん」
相手の戦意がそがれたことを確認してから、夏子さんの手を取って歩き始める。
夏子さんは素直に僕の後ろを付いてきた。
……もう少し、夏子さんの周囲に気を配るべきだった。
以前、僕がガードをしていた時に、僕の力不足で夏子さんにケガをさせてしまった時のことを思い出した。
あの時、もっと気を付けなくちゃいけないと心に刻んで、それ以降今日まで前以上の鍛練に励んできたのに、以前と同じミスをするなんて……
「ねぇ、瀬戸」
自己嫌悪で頭がグルグルする。
その瞬間、夏子さんがピタリと足を止めた。
「どうしてあの時、アイスなんて持ってたの?」
夏子さんに手を引かれて、僕の足も自然に止まる。
いつの間にか二人でショッピングモールのエントランスの外まで来ていた。
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