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「言ったでしょ?
ボスからの呼び出しだって。
……うん、大体の用件は分かったわ。
行きましょ」
「えっ!?」
「投資のこと、教えてあげるわ」
ふわりと、手首に熱が触れた。
えっ、と思って顔を上げた瞬間に、力に引かれて足を進めている。
柔らかな熱は、繋がった手がもたらしたものだった。
「ほら、早く!」
女性らしい、柔らかな手。
拘束する力は弱いのに、僕はその手を振りほどくことができなくて、引っ張られるがままショッピングモールの中を進んでいく。
「ほら、ちょっと帽子脱いで!
……う~ん、瀬戸は全体的に色素が薄いからなぁ……
こっちの色の方がいいかしら?」
「あ……あの、夏子さん?」
どこへ行くのかと思いきや、連れ込まれた先はメンズ物の服屋さんだった。
僕が何をされているのか理解する間もなく素早くお買い上げ品を決めた夏子さんは、僕を放り出してレジへ行ってしまう。
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