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『おいまて、はづき!』 陽が追いかけてきた。 私は、無視して歩き続けた。 できるだけ、早く、早く。 もう、会いたくない。 話したくない。 私にとって一番大切な存在の彼の事をそういうふうに思ってしまうのはおかしいことなんだろうか。 私は、路地裏に入り角を曲がってしゃがみこんだ。彼に見つからないようにするために。 傘は持っていなかった。だって晴れてたから。 (天からの罰かな…。) そんなことを考えていたら、遠くから足音が聞こえてくる。 (やばい…、陽かな…見つかるかも…) 立ち上がろうとした瞬間、酷い目眩に襲われた。 私は、ひと気の無い、静かな場所でひとり倒れこんでしまった―。
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