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入ってみるとあんの上、ひと一人いなかった。
ボーっていう音とともに温かさが身を包む。
「…おはようございます。」
「…?ああ、葉月ちゃん。おはよう。」
館長さんにあいさつをする。
ここ最近は私を含めても四、五人しか来ていないらしい。故に私のことを覚えてくれているようだ。
「今日もゆっくりしていきなねぇ。」
そう言って館長さんは、部屋に戻った。
「…カチッ、カチッ、カチッ」
「ボーーーー」
「カリカリカリカリ」
三つの音があたりを包む。
(…少し休憩しよう。)
おもむろに、スマホを開く。
表記されている10:32という文字。
勉強し始めて大体一時間半くらい経過していた。
その間、人は一人も来ていない。
LINEの返信を済ませ、またすぐにとりかかったが、日頃の疲れのせいか、私は、無意識に眠りについてしまった。
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