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「来てくれたんだー、
誘いたいなら自分で誘えなんて言うから、誘ってくれないかと思ってたら、ちゃーんと声掛けてくれたんだねー」
昼間より少し砕けた感じの北島さんが、そう言うと、
「言わないと、お前あとでしつこいから」
そう言って、四人テーブルの北島さんの向かえの座席に座ったので、私も山崎の隣に座った。
「飲める?」
と北島さんにメニューを貰い眺めていると、山崎が生ビール中ジョッキを注文したので、急いで注文しなくちゃいけないような雰囲気に、
「じゃ、生ビール、グラスで」と続けて注文した。
あんまりお酒は、得意じゃないけど、飲まなきゃ緊張で話せない、そう思った。
北島さんが、適当に手羽先や、串で数本の焼き鳥を注文してくれた。
「おつかれ」って、北島さんのかけ声で乾杯したあとは、ニコニコ顔で、北島さんが話し始めた。
テーブルに乗った肝やハツを見たら、ラットの臓器と大きさも見た目も変わらない物に、先程まで切り出しをしていた臓器を連想させて、食欲が失せてしまい、手羽先や唐揚げだけを選んで皿にのせた。
「中川さん、山崎が教育担当だって言うから、相当虐められてるんじゃないかって心配になっちゃったんだよねー」
本人の目の前で言われても、図星なだけに反応が困る。
山崎をチラ見すると、鋭い目つきで睨まれた。
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