1990人が本棚に入れています
本棚に追加
/539ページ
洸ちゃんが出張から帰ってきた日、お土産を渡したいから、と言われてご飯を食べに行った帰りに、ばったりと先生に会った。
先生モードの先生は、あの頃の面影を残していて、少しあの時の気持ちを思い出した。
密かに想いを寄せていた、あの時。
私だけが特別だなんて思わなかったけど、あの笑顔と言葉に沢山助けられていた。
彼女がいると知った時も、
それが、同じ学校の先生だったと知った時も、
私の心は、鈍い痛みに押しつぶされていた。
卒業してしまえば、もう先生に会うこともない。
自然とこの気持ちだって忘れられる。
そう、思っていた。
「……仁菜?どうかした?」
「……え?」
「いや、ボーッとしてるから」
最初のコメントを投稿しよう!