揺れ乱れる心

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「・・・っ、ありがとうございます。」 助けて貰ったのは確かなので、礼はキチンとせねばならない。 あのまま激高した田所に殴られていた可能性は充分あった。 正義のヒーローのような助け方だが、そんなところがつくづく似合う男だ。 「あぁ、そうだ。ママ。」 大槻が何か思いたったようで― 「お礼までとは言わないが、今夜は彼女を一人占めしていいかな?他のお客から指名が入っても、断ってもらえたら有り難いのだが。」 (え・・・!?えぇ!?) そんな要求をしてくるとは思わなかった。 「そんなんお安い御用です!お代も今日はサービスさせてもらいます! ユウナ自身もお礼も兼ねておもてなししたいと思(おもう)てはるやろし・・・そや、他の女の子も良かったら呼びますけど・・・」 大槻は俺をジッと見つめ… 「―いや・・・彼女と二人がいい。」 静かに俺を見つめながら、そう言ったのだ――。
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