千切れた導火線

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「え?」 「会って言いたいことがある……」 「…………」 覚悟を決めたつもりでも、不自然だったかとか、バレバレじゃないかと言葉にしてから後悔が溢れてくる。 「......」 「......」 沈黙が痛いのは、そこに嫌な温度を感じたからかもしれない。 「......美帆、今一人だよな?」 「え?......うん。どうして?」 嫌な予感しかなかったのは言いにくいことを言う時に間が長くなる彼の癖を私が嫌という程知っていたからかもしれない。それでも…… 「ごめん。俺、彼女が出来た」 「え!?」 告げられた言葉が信じられなくて…… 「美帆とはさ、普段から電話とかさ......周りにもよく勘違いされるから、付き合ってすぐに勘違い......されたくない......」 (そ...そんな。いつから!?嫌だ!!) 「そ...そっかー。彼女出来たんだ!?やったじゃん!!」 心と口が反対の言葉を言って、電話を終えた。そんなに泣いた覚えも、いつから泣いていたかも分からないけれど、気づくと足下には小さな水たまりができていて…… 『チリン……リリン』 そんな音が聞こえて気がした……。 ………… ……… …… …… 「美帆!!美帆?どうしたの!?急に黙って……」 「え?あ……」 気付くと私は昼下がりの学校にいた。目の前にはメガ姉。これは、そんなはずはないと思いつつ後ろ髪に触れようと伸ばした手が空を切った時に、全てを悟った。 「私達、相思相愛だったんだね……」 「美帆……」 「ごめん、今は1人にして欲しい……」 痛いほど見覚えのあるシーンからの目覚めが、ありえない出来事であるはずのそれ[時間が戻った事]が起きた事を驚くほど早く私に信じ込ませていた。
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