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「仕事で一緒になるから、少しはしゃきっとするかと思ったけれど」
かずかずは、相継ぐ台風で暴風雨が吹き荒れ、土砂災害がたて続けに起こり、災害弱者の人達が救助を待つなか、ヘリで台風に突っ込んで、災害救助犬も派遣して多くの人を救助した。
僕も写真撮影と言う形で、行方不明者を減らすように協力し、本市くんも仮設住宅の建築費用を出してくれた。
その時も海街くんは一緒だったけど、ヘタレが治らないようだ。
沖島行きの船には僕と本市くんと本市ガールズの他にもう二人乗っている。
今回の事件は脱出不可能な収容所で患者が脱走したと言うこと、密室や迷宮が絡むことに興味を持った鑑識官の栗原爽(くりはらさやか)さんが本庁から派遣されている。
収容所の内容や構造はこれまでメディアに公表されていなかったので、現地で構造を見たいと応援に来てくれた。
警視庁の人って誰かに似てる人が多いけど、栗原さんは女優の戸田恵梨香。かずさんは宝城カイリ。かず美さんは夏帆に似ていると僕は思う。
「仕事終わったら地中海村でのんびりしない?」
栗原さんは僕達のところまで来ると長い髪を耳にひっかけながらそう言った。
彼女は、警視庁のラボでは白衣着てるのが常だから私服を見るのは初めてだ。白黒チェックの長袖に、黒のスキニーパンツを合わせたスタイルだ。レトロなスタイルだけど、今、60年代から70年代のレトロって鉄板なんだよね。改めて警視庁の婦警はお洒落に敏感なんだな。
カメラマンの血が騒いで来た。ここはファッショナブルなかずかずと栗原さんを激写すべく、僕はカメラを構えた。
「絶対行ってやるんだから! 事件のせいでリゾートが台無しよ」
「じゃあ、飛ばすよ! いくぜいくぜ、いくぜーっ!」
かず美さんは船のエンジンを全開にして急にスピードを上げた。
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