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どれくらい時間がたったのだろう。
吐き出した熱をタオルで拭き取って、そのままソファで抱き合っていた。思い出したように降ってくるキス。
甘い痺れを体に感じながら、キスに酔いしれる。
テレビではマジックなんて既に終わっていて、テレビショッピングに変わっていた。
「淳さん」
「何?」
「淳さん・・・」
「・・・何?」
「淳さん」
「・・・・」
名前から後、言葉が続いてこない。名前を呼びたいだけなのだろうか。三回目で聞き返すことをやめた。
淳の返事が帰ってこないからか、皆川も名前を返さない。
諦めたのかな、と暫く放置していると、また皆川は「淳さん」と囁く。
「もういいよ」
「今日、泊まっていきますよね?。大分遅いし」
さすがに名前を呼ぶのを辞めるように言うと、違う答えが帰ってきた。
「・・・でも、悪いよ」
「何がですか?」
「邪魔じゃない?」
「そういう事を言われる意味が分からないです
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