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皆川が少し寂しそうに微笑む。
何か間違えた。
未来の時には彼女の言う通りにしていれば良かった。何かを悩む必要なんてなかった。
淳なりに自分の感情を抑えて言った言葉に傷ついたような表情の皆川がいる。
「淳さん、もういっそ一緒に暮らしちゃいます?」
「は?」
今の会話からどこまで話が飛躍したのか分からずに、思わず聞き返した。
「そうしたら、淳さんが僕に遠慮する必要もないし、僕が一緒にいたいの我慢する必要無いし。あ、結構いい考えかもしれないですね」
「え、ちょっと待って!えっ?」
話がどんどん進んでいくのとは対象的に淳の頭は混乱した。
(一緒に暮らす?。暮らすって、・・・いやいや、そんなの俺が耐えられない)
必死に考えると、淳は頭を振った。
(絶対無理だ)
一緒に暮らしたら、ずっとドキドキして気が休まらない。今だってどうしたらいいのかわからないのに、ハードルが高すぎる。
「無理」
「そんなにハッキリ言われると傷つきますよ」
「あ・・・」
「淳さんは何がダメなんですか?」
「何って・・」
「残念ながら僕は淳さんの心を覗き見る事ができません。だから、思っている事ちゃんと伝えてくれないと、不安になります」
「皆川さんが、不安?」
「そうですよ。もっと頼ってください。一緒にいたいって思っているのは僕だけで、淳さんはそうじゃないのかな?ってこれでも悩むんですよ」
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