やさしい恋をして

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 ずっと見ていた事に気づいた皆川が振り向いた。  淳は首を横に振った。 「マジック好きなんだなって」 「気になりません?。魔法じゃなくて種明かしがあるんですよ。でも、テレビの角度もありますよね」 「俺は種を明かそうと思わないですけど・・・」  淳が視線をテレビに向けると、頬を皆川の両手で挟まれて唇に軽いキスを落とされる。 「えっ」  脈絡のない行動に淳は慌てた。 「可愛かったので」 「そ、そんなわけ」 「キスしていいですか?」 「もうしてるじゃないですか!」 「あ、それはしてもいいって答えですね」  淳が反論する前に皆川の唇で唇が塞がれる。  下唇を緩く舐められ、舌が入ってくる。  その舌を拒む事は出来ない。舌同士が重なると、それが合図になったかのように体が熱くなってくる。 (胸が苦しい)  人を好きになるのは大変だ。一緒にいると嬉しいのに苦しい。でも離れていると会いたくて仕方がない。  絡まった舌から唾液が溢れる。喉を伝った唾液をすくうように舐められた。 「・・っ」  そのまま肩を軽く押されて、ソファに倒される。  皆川のおでこが淳のおでこにコツンと当たった。
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