何枚短冊ぶら下げるつもりだ?

4/9
前へ
/12ページ
次へ
「…………聞こえてんじゃねーかよ」 ジョーの手を握る俺の手に更に力を込め直し、しっかりと指を絡ませる。 急がないと間に合わないから、ちょっとスピードアップしてジョーを時々振り返りながらズンズンと歩みを進めた。 今日のジョーは朝顔柄の浴衣姿で、いつも以上に可愛く見えて直視できないのがツラい。 あとでどう可愛がってやろうかと妄想を巡らせる。 俺の脳細胞は既にトップギアだぜ! ********** ドーン。 ドドーン。 遠くに打ち上げ花火の音が響き、夜空いっぱいに色とりどりの鮮やかな花が咲いて散っていった。 「キレイですね。こんな場所よく知ってましたね?」 「ああ、まあな。俺を誰だと思ってるんだ。当然だろ」 本当は俺が知ってたんじゃなく、アイツに教えてもらったんだけど。 そんなことは今はどーでもいいことだ。 ジョーの顔が今は見えないけど、きっと今も照れて赤い顔してんだろうな。 どうしてジョーの顔が見えないのかっていうと、俺が今ジョーを背中から抱きしめているから。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加