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「…………聞こえてんじゃねーかよ」
ジョーの手を握る俺の手に更に力を込め直し、しっかりと指を絡ませる。
急がないと間に合わないから、ちょっとスピードアップしてジョーを時々振り返りながらズンズンと歩みを進めた。
今日のジョーは朝顔柄の浴衣姿で、いつも以上に可愛く見えて直視できないのがツラい。
あとでどう可愛がってやろうかと妄想を巡らせる。
俺の脳細胞は既にトップギアだぜ!
**********
ドーン。
ドドーン。
遠くに打ち上げ花火の音が響き、夜空いっぱいに色とりどりの鮮やかな花が咲いて散っていった。
「キレイですね。こんな場所よく知ってましたね?」
「ああ、まあな。俺を誰だと思ってるんだ。当然だろ」
本当は俺が知ってたんじゃなく、アイツに教えてもらったんだけど。
そんなことは今はどーでもいいことだ。
ジョーの顔が今は見えないけど、きっと今も照れて赤い顔してんだろうな。
どうしてジョーの顔が見えないのかっていうと、俺が今ジョーを背中から抱きしめているから。
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