何枚短冊ぶら下げるつもりだ?

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シーン…………。 さっきの物音が嘘のように辺りは静まり返っていたけど、嘘なんかじゃない。 ガサガサっていう音だけじゃなくて、喋り声まで聞こえたのだから。 その声の主にはおおよその見当がついているけど。 「観念して出て来い……ダブル本宮!」 ガサガサガサ……。 草むらの木の陰から出てきたのは、案の定あの二人だった。 「よ、正貴。こんなところで奇遇だな……」 「おお、フィリップじゃねーか。偶然で驚いたぜ」 …………白々しい。 この場所を教えてくれたのは確かに亮だったけど、まさか今日ここで会うとは。 しかも要と二人って、暇なのかコイツら。 「なあフィリップ、そのシャツってお前のオリジナルじゃねえか?」 「よく分かったな要。その通り、俺が作ったんだけど」 俺のセンスの良さを見抜かれたか? 「正貴さぁ"J"と"F"って、もしかしたら……?ププッ、あはははは!!お前ともあろうものが……あっはっはっは」
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