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窓から見える砂漠はいつも同じ風景だった。
「悪いな、しばらく外に出ていてくれないか」
アキラはそう言って私を真っ直ぐに見つめ、刀を手にした。
灼熱の太陽が肌を強烈に刺激する。何処まで行っても砂と光しか見えなくて、その中心に私は立つ。不気味な程の静寂の中、突然悲痛な叫び声が、小屋の中から聞こえてきた。一度目は切断した時のものだろう、二度目は包帯を巻いた時の叫び声なのか……私はその場で仰向けになり、寝転んだ。
眩しい……なんて眩しいのだろう、眼を開けるのもやっとだ。身体は今にも焦げてしまいそうで、このままいっそ灰になり、砂に埋もれてしまうのも悪くはないと思った。
朝が来る……。
アキラとの一日目はここで終わった。
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