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「昨日の男さあ」
里香が煙草を吸いながら喋り始めた。
「ん?」
「面白い男だったよ。結構いい男でさ」
「うん」
「歳は35で妻子持ちサラリーマンだけど、遊びまくってるみたい。慣れてたよ。話も面白かったし」
「ふうん。誰に似てるの?」
「仲村トオルかな。顔は。でも声とか喋り方は高田純次だった」
「おもろーーーー。笑えるーーーーーーー」
私は腹を抱えて笑った。学校の気怠い授業を受けているよりも里香の話の方が遥かに楽しかった。毎日変化に富んでいたし、最高にクールでカッコよく、痛快だった。
うざい親や教師には苛々するが、里香は最高だった。最高の友達だった。
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