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髪の毛ぼさぼさで眼鏡ずり下したヨレヨレシャツの汚いオッサンが出てきた。
私はのけぞった。
「ああ。里香ちゃん。早速お友達連れてきてくれたんだ。ごめんね。ちょっと二日酔いでずっと寝てたんだよ。ごめんごめん」
タケルはきらりと笑った。あれ?やっぱり仲村トオル?かっこいい!
私はタケルに会釈した。得意の男殺しの笑顔で。
「可愛いね。君が麗子ちゃん?里香ちゃんから聞いてたよ」
タケルは鼻の下を伸ばしてニヤニヤ笑った。
服装はだらしないのに男前。声は高田純次だった。そこが面白かった。
タケルは汚い単身赴任部屋に私達女子高生二人を招き入れた。
「ごめんね。掃除してなくてさあ。あああ。オジサンは疲れててくたくたなんだよね。あそこは異様に元気なんだけどさ。散らかってて悪いね」
タケルは脱ぎ散らかしたトランクスを足先で部屋の隅っこへやった。
テーブルの上は食べ散らかしたカップラーメンが無造作に並んでいたし、部屋中異臭がひどかった。
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