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気怠い午後の歴史の授業……。
居眠りをしていたら、スケベそうな眼鏡教師、山田雅彦に髪を引っ張られて起こされた。
ムカツク。
私はクラスでも一番の性悪女。
井原丘高校3年5組、篠崎麗子。
クラスの子達は私を恐れている。キレると暴れるから。
私は相手が男子でも容赦しない。たとえ校長だったとしても全然怖くなかった。
「うざいんだよ、あんたの授業。聞いてらんないんだよ。私の大事な髪の毛引っ張るおめえの不細工な顔なんか見たくないわ!」
私は机を蹴散らかして、風を切るようにして、教室を出た。
侮蔑した笑みを浮かべながら山田を一瞥してやったのだ。
拍手したり指笛を吹く男子生徒。
歓声をあげたり野次を飛ばす女子生徒。みんな私の味方のふりをした。
眼鏡をずりおろした間抜け面のアホ教師。
私の暴走を止める事も出来ない。ただ茫然と立ち尽くすだけの無能な男だった。
私はこの閉鎖的なこの学校から脱出した。
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