里香

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私は、普通の綺麗な恋愛がどんなものか知りたかった。 携帯が鳴った。 里香からだった。 「はい」 「もしもし。麗子?今どこにいるの?」 里香の声は、いつ聴いても優しい声だ。 「学校出てこれからいつものマクドに行くところだよ。里香は?」 「うん。これから着替えて化粧するよ。今起きたとこなんだ。昨日も遅くまで遊んでたからね。きゃはははは」 里香は明るかった。 時計を見ると午後一時半だった。 「一緒にハンバーガー食べる?待ってるわ」 「うん。わかった。すぐ準備するわ。待っててね」 「オケー」 私は大型スーパーの女子トイレの洗面所で化粧を始めた。 ジャラジャラとマスコットをぶら下げた高校のカバンから光沢あるゴールドの化粧ポーチを取り出した。
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