解雇通告は始まりの言葉

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今日、会社に行ったら解雇通告を受けた。 突然の事で俺は焦った。頭の中ではりありー?とかわっつ?とか英語にもならない英語が飛び出しては消えてゆく。 いや、誰だってそうだろう。勤続15年の会社を突然クビになるなんて…うっそだろとしか言いようがない。 俺はそれなりに仕事もできた方だし上司とも仲良くやってたはずだ… なにか原因は…? まあ確かにうちの会社はそこらの中小企業同然の規模だけども… だから今たってるのは社長室で社長の前だ。 社長は「すまんね」としか言わない。なんちゅう奴だ、人の生活がかかってるというのに。 あ…待てよ…そういやこの間飲み会で部長が… ……… 部長「みんなにお知らせ~www他の部に言っちゃダメだよー??夏になったら人員整理行いまーすwwww」 ……… …あれかァ!!????? あの時はみんな酔っぱらってて「えーw」とか「俺クビになったらどうしよーwww」とかふざけてたが… やっべえな…窓際社員を楽しみすぎたか… いや、だが…そこまで酷かったか… そんな風に思考を張り詰めていると向こうから真っ青な顔の部長がやってくる。 俺を見つけると「前田くぅううん!!!」とすごいスピードで近づいてくる。 すると俺にしがみつき泣きそうな顔で「私も誰が解雇されるかは聞いてなかったんだよぉおお」と絶叫している。 どうどう、となだめ話を聞く。 どうやら数部署から成績が一番悪い社員を「一人」解雇するとの事だったそうだ。 特に社員成績を考えてない部長は「まあうちのとこから解雇されることはないだろう」と深くは考えてなかったらしい。 というわけで俺はクビ。 リストラですよ!リストラ!! …明るく言っても悲しくなるだけだな… 部長は盛んに「君がいなくなったら誰に家族の愚痴をぶつければいい!!」とわめく。 …そういや俺の仕事ってPCでオンラインゲームして部長の愚痴聞いてるくらいだったな… そりゃ首にもなるかァ…ハハッ… しかしなぁ…35の俺を雇ってくれる会社なんてあるかねぇ… だが俺には彼女がいる。彼女も仕事してるしきっとどうにかなる。 とりあえずメールしよう…まあ彼女ならわかってくれる…きっとついてきてくれるだろう…
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