Danger

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 少女の言葉に、平次は何故か顔を赤らめる。  平次はまだ黙りこくったままだ。  ・・・そんな少女がソファーから立ち上がり、平次の目の前で手を差し伸べた。  「ね? 一緒に遊ぼ?」  少女の差し伸べる手に、平次は一向に反応を示さない。    ・・・彼の中に沸き上がった葛藤が、相互していたからだ。  そのひとつとして、"年の差"があった。  少女は17才で現役の女子高生と語ったが、平次が必要以上に関係を持ってしまえば援助交際にもなり得る。  また、アンダーラインを見極めていなければ触法行為に繋がるリスクがあると判断していた。    ・・・もうひとつが、彼女の正体。  「両親に愛されてない」など、会ったばかりの相手に比毛明かす事かと平次の脳裏では引っ掛かる。  それに、例えハプニングの拍子で、所持金を失った平次を救済しようという、唐突な話があるだろうか。  今になって、解いていた警戒心がまた強くなっていた。          
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