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二人が真っ先に向かった先は、ビリヤード場だった。
先程、少女が気に掛けて視線を投げ掛けていた果てでもある。
奇遇にも先客がプレイ後にボールやキュー(棒)が片付け、テーブルがひとつ空く。
すかさず少女は指穴の開いた革グローブを右手に嵌め、スタンドに立て掛けられたキューを手に取る。
「ルール変更。
私に勝ったら、利子無しにしてあげる」
企みを隠すような笑みを浮かべる少女に、平次が疑問を抱く。
「おいおい、都合良いこと言うなよ。
いつになったら利子が無くなるか分からないじゃないか。
それに俺はビリヤードなんて、やった事一度もないぞ?」
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