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「じゃあ、なんて呼べば良い?」
平次が少女の名を尋ねる。
少女は妙に照れ臭そうに視線を落とし、手を後ろに小声で告げた。
「・・・杉谷 綾香。
おにいさんの名前は?」
ポケットに手を突っ込む平次が、ニヒルな顔で答える。
「俺の名は七神 平次。
平次でいいよ」
互いに自己紹介すると、平次がポケットから手を出して握手を求める。
少女も手を取り、握手を交わした。
「なんか不思議な感じね。
・・・貴方と会ったの、初めてな気がしないよ」
平次に心境を明かす綾香に、彼も正直に自身の心の内を話した。
「・・・同感だよ。
綾香に会ったときから妙に慣れちまうのが早くてよ、不思議に思うのさ。
俺は生憎、メーン・イベントに出れそうにもない。
だから今日は、俺と楽しもうぜ」
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