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平次の言葉を期に、少女はテーブルに乗載ったボールを止めるラックを外す。
「そうね・・・
それじゃあ、私と遊ぶのをメーンイベントにしよっか。
私から先攻ね」
幼児と変わらぬ無邪気な笑みで、綾香は強引にもプレイ開始。
ラックを外された的玉は一子乱れぬ三角形に並び、綾香は上体屈めて前傾の体勢でキューを引き、手玉と的玉の先頭に狙いを定める。
綾香が狙いを定めた瞬間、回りの空気がガラリと変わる。
まるで獲物を狩るごとく大きく見開いた綾香の瞳。
ガヤガヤと湧いていた喧騒が、この場に居れば耳に入らない。
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